末端医師のつぶやき

うだうだ言うてます

医師の転職活動

 昨年のこの時期に転職活動を始めて、
今年から新しい環境で働いています。
前職でストレス過多だったので動いたわけですが、
今の環境に満足しています。

今回は、転職先が決まるまでの流れをメモしようかと思います。

 

医師は転職する場合、実際どういった道筋があるのでしょう?

 

医局からの提供

医局所属だと、医局長あたりが就職先を提供してくれます。
それは医局側から一方的に突きつけられる場合もあるし、
医師から要望できる時もあります。
医局のお願いは息のかかった医療機関にとっては絶対なので、無理も聞いてくれます。
医者足りてる状態でも医局に頼まれたら断れません。
(今は以前ほど医局の力は強くないですが、それでも地方では強いと思います)

さらにはバイトや非常勤先もあっせんしてくれます。
私も一度だけお世話になりました。

が、私は色々あって比較的早い段階で医局を離れています。
なので、それ以降は自分で就職先を探しています。

以下は医局に属していない私がこれまで仕事を探した方法です。

 

知り合いを通じて

知り合いを通じて見つける。
これはどの世界でも言えますが、人脈大事、ってところでしょうか。
実際、私は友人の親の病院で非常勤をしたことがあります。
あちらも全く知らない人を雇うより、子を通じて聞き知った私を雇う方が良かったようです。
このパターンで2か所で働きましたね。
知り合いということで給与面とかあまり言いにくいってところはありますが、私に関していうと問題なかったです。
結局やめてしまったけど、非常にありがたかったです。

 

医師求人サイト

本日のメインです。
医局人事でしか動いたことない友人知人も多く、求人サイトで仕事探したと言うとものすごく興味津々に色々聞いてくれます。
「すごい行動力~~」とほめてくれたりします。

今回も医師求人サイトから職場を探して転職に至りました。

医師求人サイトの実際

結局、知り合いと言ってもその時マッチングするとも限らず、求人サイトで仕事を探すことになると思います。

求人サイトも本当に色々あります。
最も有名であろう、M3(エムスリー)。
私も実際、利用したことがあります。

M3は医師専門サイトで医療情報を手に入れたり、ポイント貯めたりしている医師も多いでしょう。
ポイントは本当にお得で夫婦でポイ活しています。
医者は当たり前にみんなやってると思っているけれど、どうなんだろう?

 

話それました(;^_^A。

 

グーグルで「医師求人」などと調べると色々出てきます。
上記で紹介した「M3」のほかにも「メディカルコンシェルジュ」「民間医局」「e-doctor」などが有名です。
M3は大手なので、抱えている案件が多いです。

私はこれまで何度も医師求人サイトを使って仕事を(非常勤1回、単発バイト数えきれないくらい、常勤2回)を探しています。

次にどんな流れで仕事が決まっていくか、述べます。

まずは相場をみる

サイトでは仕事を検索できるようになっていますので、どんな仕事が求人にあがっているか調べてみましょう。

仕様はどこもあまり変わりません。
感覚的に入力できますので難しくないです。

「常勤・非常勤」
「定期・スポット」
「地域」
「科(内科・外科など)」
「その他、色々条件」

などなどを入力します。
結果から興味のもった案件を吟味します。
この時に大体の相場感もつかめると思います。
条件面の話をする際に相場感を知っておくことは大切です。
この段階で病院名が載っていたら自分で色々調べられるけれど、たいていどこの病院か伏せられています。
(医療機関名がなくても狭い世界ですので予測できることも多いです)

 

問い合わせする

気になる求人を出している職場の情報が知りたい!となるとその求人サイトに連絡をとらないといけません。
たいてい、お問い合わせフォームが設置されています。

問い合わせするとすぐに記載した連絡先(私の場合はメールでした)に反応あります。

この時、連絡とってくれた方が大体そのまま担当になります。
その担当はエージェント(代理人)となり、医療機関との橋渡し役になってくれます。

問い合わせた案件の話もそこそこに、現状、仕事に求めるものなど、やんわり聞いてくれます。
そして「この件も含め、先生の条件に合致する医療機関を一緒に模索しましょう。一度、会って話をしませんか?」ってなります。

エージェント担当と話す

コロナ禍前であれば、最寄りの駅の喫茶店まで来てくれます。

コロナ禍後の今回はなんとそれがZOOMになりました。
気負わなくて良くて本当に楽ちんでした。
以前もそうなら良かったのに。

 

今の医療事情などの雑談も交えながら、自分が今必要な条件を話します。
色々聞いてくれるので、それに答えているうちに頭の整理にもなります。

・子どもが小さい、祖父母の助けがないから融通が利くと良い。
・何はなくとも給料増やしたい。
・キャリアアップ目指したい。
・訪問診療に興味がある。
・自分の技術を生かしたい。
・9-17時勤務?時短勤務?
・家に近い方が良い?
などなど自分の条件をできる限り言いましょう。

全部を満たす職場はないかもしれないけれど、優先順位を付けたらいいだけですし、合わないなら断ればよいのです。

 

エージェントと条件を突き合わせる

その後、メールでやり取りします。
問い合わせた案件を含め、いくつか案件を出してくれ、突き合わせていきます。
その流れでエージェントは医療機関にも問い合わせてくれます。
ある程度、医療機関が絞られてきたら、「向こうの医療機関の方が先生にお会いしたいとおっしゃっているのですが…」とエージェントが動いてくれます。

 

医療機関で面談

医療機関の担当と面談をします。

医療機関側出席者は「院長、院長婦人」「院長、事務長」「人事担当だけ」とかいろんなパターンがあります。
今回は「人事担当、部署担当、事務長、副院長」と大勢に迎えられました。
小一時間、勤務の内容とか、お互いの希望など話して終わります。
医療機関側は私の為人を見ていたのでしょう。
私は…、部屋が暑くて汗吹き出しそれどころではなかったのですが…。

面談するまでに大体条件も出し合っているので、ここまでくるとうまくいきそうなものですけど、そんなこともありません。
私は医療機関と面談したにもかかわらず、2回ほど破談になったことがあります。

1回はエージェントが私の希望を勝手にはき違えたこと、もう1回は医療機関での情報共有不足が原因でした。

契約成立

ここまでくるとあと一息です。
エージェントが契約可否について両方に聞き取り、マッチング出来たらさらに条件を精査し、契約書を作成します。
それを読んで納得いったらハンコ押して契約成立となります。

契約が完了した時点で私はすぐに今の職場に退職を伝えました。
今の職場の規則を確認したら、「やめる2週間前に退職届を出す」ことしか書いておらず、契約書にも特に何も記載なし。
でも後任の医師を探さないと無理なはずですので、その準備も必要でしょうし、私は5か月前に言いました。
半年前に伝えることを目標にしましたが、結局、遅れました。
契約に記載がなくても医療現場では最低でも3か月以内に退職を言う方が親切かなって思います。

契約後

求人サイトは契約が成立すると、医療機関から報酬をもらいます。
噂によると、正社員であれば年収の1割とか2割とか??
実際、そのあたりはその時々で変わるのでしょうが、医師には伝わらない情報です。

最低でもある一定期間勤務継続しないと報酬ださない、という条件もありそうです。
求人サイトと医師がグルになって転職を繰り返してお金を手に入れることができるからです。
あまり何度も転職を繰り返していると信用がなくなりますし、そこまで大金が手に入るわけではないので現実問題、それを生業にしている医師はいないでしょうが…。

エージェントはなるべく給与高く、そしてなんとか契約させようと必死で動いてくれます。
ここまでの流れは気づいたらエージェントが乗せてくれる感じです。
ちなみに エージェントを使用する際に医師には費用は発生しません。

契約後は「釣った魚に餌はやらない」くらいエージェントからは連絡が途絶えています笑。
近くになって、再度エージェントにから連絡があり、また転職後初日にも連絡くれました。
それも担当エージェントによるのかもしれません。

 

まとめ

医師の高齢化もあり、まだまだ働く場所はあります。

仕事内容が合わない、理不尽だ、過労死する、私たちは駒じゃない、などなど仕事に不満があるのであれば、転職に動くのはどうでしょうか。
医師の転職はハードル高いかもしれませんが、実際動いてみると意外に流れに乗ることが多いです。
転職に至らないくても自分には他にも場所があることがわかるとメンタルにも良いですし、世界が広がりますよ。
医者人生、思うより短いです、思い立ったが吉日です。